僕は、朝立ちで起きる。
エロくない、かなり真面目な話。48歳の体から届く「未読通知」を、健康・男女・実業から読み解く
僕の目覚まし時計は、iPhoneではない。下半身だ。
僕は寝る時刻も、睡眠時間も決まっていない。1日に2回寝る日さえある。
朝、昼、夜。何時に寝ても、起きるときには毎回立っている。
正確に言えば、勃起に起こされる日もあれば、自然に目を覚ましたときには、すでに下半身が起床済みの日もある。
「朝立ち」という名前なのに、朝限定ではない。
僕の場合は「起床立ち」だ。
1日に2回寝れば、2回出勤する。本人より勤勉である。
立っていると目まで冴えて、二度寝が難しくなる。僕にとっては、ずっと普通のことだった。
ところが、Substackのライブ配信で男性から、こんなコメントをもらうようになった。
「下半身だけ、もうおじいちゃんです」
「僕の下半身は、機能不全です」
笑い話のように見える。
ただ、男は本気で困っていることほど、冗談の服を着せる。
そこで初めて気づいた。
僕の普通は、全員の普通ではないらしい。
朝立ちは、エロではなく「体の試運転」
睡眠中の勃起は、性的な夢を見た証拠とは限らない。
人は眠っている間、「REM睡眠」と呼ばれる、夢を見やすい眠りを何度か繰り返す。その時間帯に、神経や血管が連携して、自然な勃起が起こる。
性欲とは別便で届く、体の試運転のようなものだ。
実際、医療現場では、睡眠中に勃起が起きているかを調べ、勃起不全の原因を探る手がかりにする検査もある。勃起には血流だけでなく、神経、ホルモン、睡眠、心の状態などが関わっている。
ただし、朝立ちがあれば全身健康、なければ病気、という単純な話ではない。
目覚めた時間によっては気づかない。疲労、ストレス、酒、薬、睡眠不足によっても変わる。一度なかっただけで、体に赤札を貼る必要はない。
一方、以前より明らかに減った。勃起しにくい状態が続く。性生活にも困っている。
そんな変化が続くなら、「年齢だから」と笑って閉じるより、医療機関に相談したほうがいい。血管、神経、ホルモンなどの変化を知るきっかけになる場合があるからだ。
朝立ちは健康の合格証ではない。
体から届く、無視しないほうがいい未読通知だ。
日本の男性、約3人に1人
日本性機能学会が20歳から79歳の男性6,228人を調べた全国調査では、勃起の硬さを基準にすると、EDに該当する人は30.9%。人口に換算すると約1,400万人だった。
およそ3人に1人である。
駅のホームに男性が3人並んでいたら、1人は下半身だけ運休中かもしれない。もちろん、顔には「平常運転」と書いてある。
珍しい誰かの話ではない。
ただ、多くの男性は口にしない。「衰えた」と認めた瞬間、男としての成績表に赤点をつけられた気がするからだ。
勃起は、愛情の成績表ではない
男性の機能が落ちると、パートナーは「私に魅力がないのか」「もう愛されていないのか」と受け取ることがある。男性は恥ずかしさから黙る。
二人とも相手を思っているのに、沈黙だけが太っていく。
朝立ちしているから、目の前の相手を求めている。
朝立ちしないから、相手を愛していない。
どちらも違う。
勃起は、愛情の成績表ではない。
もちろん、パートナーが毎朝布団をめくり、点呼を取る必要もない。家庭に「朝立ち監査部」はいらない。
必要なのは採点ではなく、会話だ。
「なぜ立たないの?」ではなく、
「最近、疲れてない?」
「ちゃんと眠れてる?」
「何か変わったことはない?」
下半身の問題に見えて、入口は睡眠やストレスかもしれない。出口は医療かもしれない。二人の関係を見直す時間かもしれない。
人に言いにくい悩みには、大きな市場がある
ここからが、夢を実業に変えるプロモーターとしての話だ。
勃起をめぐっては、治療薬、クリニック、オンライン相談、医療機器、サプリメント、カウンセリングなど、すでに多くのお金が動いている。
民間調査会社の推計では、世界のED治療薬市場は2025年に約32億ドル。2033年には約66億ドルへ伸びると予測されている。
性的な悩みを含むオンライン医療を展開する米国のHims & Hersは、薄毛、心の健康、体重管理などにも領域を広げ、2025年の全社売上が約23億5,000万ドルに達した。
EDだけの売上ではない。この事実からも、「人に言いにくい悩みを相談しやすくする」ことが、大きな実業になる可能性は見えてくる。
人は、口に出せない悩みほど、夜中に一人で検索する。
口は黙っていても、検索履歴はよくしゃべる。
今ある商品は、困ってから「勃たせる」ものが中心だ。
次に必要なのは、衰えへ早く「気づかせる」仕組みではないか。
起床時の変化と、睡眠、運動、酒、ストレスを簡単に記録する
必要な人を、医師や性の専門家へ安全につなぐ
男性を責めず、女性も一人で悩ませない会話を教える
性の衰えを「人生後半の健康」として話せる場所を作る
扱うのは、とても個人的な情報だ。プライバシーへの配慮と医療との連携は、飾りではなく土台になる。
診断は医師の仕事。
僕たちが作れるのは、男性が黙り込む前に変化へ気づき、恥ずかしがらず助けを求められる入口だ。
下半身ではなく、男の人生を立ち上げる
僕は性科学の専門家である、うさこ先生と、男性の機能回復に関する実業を一緒に考えている。
目指しているのは、下半身だけを立たせることではない。
男性の自信を立て直す。
男女の関係を立て直す。
そして、人生そのものをもう一度立ち上げる。
ここに、メイルテックの可能性がある。
この記事自体も、一つの実例だ。
「起きたら毎回立っている」という、誰にも頼まれていない僕の日常。
そこに、ライブ配信で見た男性の本音を重ね、調べ、約1,400万人の悩みとつないでみる。すると、ただの下ネタが、健康と男女関係と実業の話に変わる。
実業の種は、立派な会議室だけに落ちているわけではない。
ときには、布団の中にも立っている。
48歳。僕の下半身は、今日も僕より先に起きている。
いつまで続くかは知らない。
だから面白がりながら観察し、記録し、誰かの健康と未来に変えていこうと思う。
体は毎日、未読通知を送っている。恥ずかしがって消すか、誰かの未来に変えるか。僕は後者を選ぶ。
あなたの経験を、実業の種に変えませんか
人に言いにくい経験、遠回り、専門知識、誰かの役に立てたい思い。
その中には、まだ名前のない商品やサービスが眠っているかもしれません。
よしなり村長が、あなたの中にある種を一緒に探します。
※この記事は健康について考える入口であり、診断や治療を行うものではありません。勃起の変化が続く場合や、生活上の困りごとがある場合は、泌尿器科などの医療機関へご相談ください。


